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2-09

あたしの父親は膵臓ガンになってしまった。
もって半年とのこと…

「なんじゃそりゃ…」
はじめて聞いたとき、ぼくは全然実感がなかった。

僕は、親父が風邪をひいた姿すら一度も見たことがなく、
「体質が丈夫なだけが自慢だ」
と父自身も常々言っていた。

そんなお父さんがガンだなんて…

俺はお母さんが嫌いだけど、父は大好きだ。

僕が高校を卒業して
芸大の写真学科に行きたいって言ったときも、
母親はつぶしがきかないと言って反対していたけど、
父はやりたいことをやるべきだ!と賛成してくれた。

僕にとって、父親は良き理解者だったのだ。

一日1日と、
日ごとにやつれていく父親を見て、
「もう助かる見込みはないんだな」と悟ったとき、
おれは父が楽しそうなところを撮影することに決めた。

バイト先のギャラリーが
2週間個展をさせてくれると言ってくれた。
ボクは、大好きなパパの写真集をつくろうと決めた。

死んでゆく人の最期を写真に撮るなんて不謹慎だ!
…という人もいるかもしれない。
でも父親は「面白そうだな」と言ってくれた。

病室で呼吸器をつけられたパパを撮影した。
父が営んでいたうどん屋の常連客が次々と病室に訪れて、
あまり多くを話すことはできないけれど、
やさしい表情で迎えるお父さんを写真に撮った。

父が亡くなって、ミーはパパの写真展を開いた。
ギャラリーに訪れた父親の常連客や弟子たちは涙を流し、
写真集をめくりながら、パパとの思い出を語ってくれた。

写真は俺と父との共同作品になったと思う。
母との関係も少しずつよくなってきている。

おいらは父親の子どもに生まれて、
本当に良かったと思う。

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